アテネオリンピックレポート(8月18日・19日)
2004.8/20
【成績の詳細はこちら】

日本馬術連盟常務理事 渡辺 弘
8月18日
総合競技の障害飛越競技が終了し、団体では、ドイツが金、フランスが銀、イギリスが銅、。個人ではドイツのベッティーナ・ホイが金,イギリスのレスリー・ローが銀、アメリカのキンバリー・セバーソンが銅とメダリストが決まりました。やはりオリンピックでは、流石の百戦練磨の選手たちも固まります。
15時30分からの団体障害飛越競技のコースデザイナーは、日本でもお馴染みのオラフ・ピーターセンで2ヶ所にオプションが設定され、分速375mとは言えタイムが非常に厳しく設定されているため、多くの選手が落下し易いショートルートかロングルートを選ぶかによりコースデザイナーの狙い通りに落下かタイム減点を重ね、順位の入れ替えが多くなりました。出場順番は、昨日までの成績の悪い順で、フランスの1番手のディディエ・クーレグは、3落下とタイム減点3の大ブレーキとなり、早くもそれまでの団体1位から転落の可能性が高くなってしまいました。オーストラリアはスチワート・ティニーがなんと8落下で大きく後退、イギリスは昨日まで5位につけていたウイリアム・フォックスピットが馬体不調で出場できず苦しい戦いとなりましたが、メアリー・キングの2落下だけでアメリカの最後のジョン・ウイリアムスの成績によりメダルの可能性が残りました。そして、ウイリアムスは3落下となりイギリスの銅メダルが確定しました。ドイツのイングレット・クリムケは昨日のスリップ転倒のためか、馬の不調で参加できませんでしたが、次に控えるハインリッヒ・ロメイケが減点なしでカバーしてフランスを抜き3番手のベッティーナ・ホイに委ねました。ホイは、いつもに増して慎重な走行でタイムが気になるところでしたが、満点でゴールして金メダルが確定。最終走者のフランスのテューザンは1落下でゴールするもドイツに抜かれ2位となりました。これで決定と思ったら、ホイにタイム減点14が加算されフランスが金との成績が出回り、どうしたのかと思ったが真相は分からず、これは間違え。オリンピックでもこんなことがあるのですね。ドイツ133.8、フランス140.4、イギリス143、アメリカ145.6、と僅差勝負となりましたが、ドイツの層の厚さ、馬場馬術の安定性、確実さが勝利を呼びました。
団体が終了後、20時45分から上位30選手により10障害125cmで個人決定戦が行われました。上位6選手が1落下でメダルの可能性があるほど僅差でスタートしました。5位につけていたイギリスのレズリー・ローが満点、4位のイギリスのピッパ・フアネル、3位のアメリカのキンバリー・セバーソンが1落下で、2位のベッティーナ・ホイはタイム減点3と1落下で41.6の2位の成績は残して最終走者であるフランスのニコラス・トゥーザンの33.4を向かえました。トゥーザンは、2落下まではできるところ第1障害でポロリ。それまでは陽気に競技を楽しんでいるように見受けられたフランスの若手は、完全に凍ってしまい4落下とタイム減点3とそれまでの成績が信じられないような内容になり、勝利の女神はベッティーナ・ホイの上に舞い降りました。昨日、断トツ1位に位置していたトゥーザンのクロスカントリー後のインタビューでは、「簡単なクロスカントリーだと思っていたが、走ってみるとやはりオリンピックのコースだと思えるものでした。」と感想を述べていたが、最後にこんなことが起ころうとは金メダルは難しい。
写真は、金メダルのドイツチーム

8月19日
競技場からは早々に総合馬が列を成して帰途についていました。今日は20:30から障害競技のトレーニング(フレンドシップ)が行われます。競技ではなく馬場慣らしといったところで、国毎に選手は続けて出場し90秒間障害を飛越することができます。一応コースは決まっていますが、順番に飛越する必要はありません。選手の服装も自由で、上着を着ることはありません。このところのオリンピックでは、その国の特徴的な物をかたちどった障害が多数使用されましたが、今回のオリンピックでは障害競技は芝馬場で一面グリーンのためか、障害物の周囲の飾りつけは非常にシンプルで、障害の袖も普通に見られるようなものがほとんどです。高さは145cmほどでしょうか。今回のオリンピックでは2日間ナイター競技になることから、今日のトレーニングも馴致のためにナイターとしたのでしょう。明るいライトに映えるグリーンの馬場は、目立った影もなく水濠も気になるようなことはないようです。日が落ちると急にすごしやすくなる乾燥した暑さのギリシャの夜は競技観戦には最高です。帰りが遅くなることを気にする日本では考えられないナイトライフです。私事ながら、終了してから乗ったバスは12時30分発でホテル到着が2時となり、眠いの一言。
昨日までの総合馬の飛越とはまったく異なる、驚異的な力強さパワーを感じさせる馬ばかりが続きます。日本チームは予備馬を含めて90頭参加する79番目からの出場となりました。日本チームの馬は輸送の疲れもなく最高の状態で本日を迎え、各馬良い走行をしており、22日の本番が待ち遠しく感じられました。
コースデザイナーはオラフ・ピータセンですが、どのような仕込をするのでしょうか。
写真は競技場周辺の景色です。オリーブ畑が多く、大きな木はなく乾燥しきっています。シンプルな障害と装飾です。