アジア競技大会馬術競技速報 5
2006.12/09
 

総合馬術日本チーム団体銀メダル 金はカタールへ
個人金メダルは大岩義明選手とカンジャー・ブラック号


韓国のキム・ヒュン・チル選手のいたましい死から一夜明けた総合馬術競技の3日目、朝7時からのインスペクション終了を待って、出番表が発表されたのは、9時の競技開始のわずか20分前です。
試合開始に先立って全員が1分間の哀悼の黙祷を捧げました。不幸な事故の後なので授賞式後のウィニングランは行わないよう申し合わせがありました。

日本選手の出番1番は加藤大助選手とオムドゥグゥ号。2落下減点8、3日間 の総減点175.30で終了。昨日のクロスカントリーの2カ所の水濠での計3拒止による思わぬ大失点が悔やまれます。
「オムドゥグゥは今まで水を嫌ったことがないので、こちらにおごりがありました。着地のときにブロックした感じがあったので、もっと細かく気を配るべきでした」(加藤選手)
14番目の村上一孝選手とイントランジット号は2落下とタイム減点5。総減点77.70で終了。
「イントランジットは馬場が得意なのですが、初日にカタール選手の次の出番で、応援の拍手と声援で馬がかりかりしてしまって、思うように動けなかったのが、今大会の不調の原因です。大会前のトレーニング不足もありますね」(村上選手)
初日3位、2日目クロスのタイム減点で10位に後退してしまった細野茂之選手
とイペカ号は2番、3番、5番……と落下、集中力を欠いた走行で計5落下、減点20を付けてしまいました。
「イペカは緊張しすぎて馬場に入っても花などを見て、心ここにあらずという状態でした。それをコントロールできなかった自分が情けない。若馬で大きな大会 に初出場ですからよくやってくれたと思います。人馬のつきあいが短かったので、これからです」(細野選手)
日本は団体ではカタールの首位を奪い返せないことになりましたが、残るは大岩義明選手の個人金メダルの確保への期待です。クロスカントリー終了時で3位に上がってきたマレーシアのハスレフ・マレク・ジェレミアと芦毛のダシュパー号との差は12.8。2位カタールのアブデュラ・アルエジャイルとクインテン号との差は6.20。マレク・ジェレミアは1落下で終了し、アルエジャイルはノーミス。大岩選手にプレッシャーをかけます。許されるのは1落下だけ。

やりました。大岩選手とカンジャー・ブラック号、1落下で終了し、ついに金メダルを手にしました。アーヘン馬術世界選手権大会で世界の強豪を相手に18位をマークし、続いてアジアの覇者となりました。
「トレーナーのホイ夫妻が何かと手伝ってくれ、安心して競技に打ち込めました。ヨシがいつもやっているようにやればいい、と信じてくれています。カンジャー・ブラックは初日の馬場では入れ込んだのですが、かちゃかちゃするところを抑えることができました。3日間すべてうまくいきましたが、クロスカントリーでは、いつも雨が多いイギリスで乗っているので、あれぐらいの雨は慣れています。カタールの選手はクロスカントリーで実にポジティブに乗っていたから、好成績は当然です。カタール選手の馬もよくトレーナーも立派な人たちです。
私の勝因ですか? 『勝ちたい』と願ったことです。これからの目標はもちろん北京オリンピックです」(大岩選手)

総合馬術の表彰式は午前中に終了し、午後からは障害馬のインスペクション。全頭無事通過しました。障害の第1戦は10日にスタートします。

8日夜、ドーハのラマーダホテルにて総合馬術選手を囲んで祝勝会が開かれました。米山順チームリーダー、やっと笑顔が出た衛藤賢二監督、金メダリスト大岩選手の師匠アンドルーとベティーナ・ホイ夫妻、総合チーム公式コーチのバリー・ロイクロフト氏、総合馬術の国際審判員として頑張った鈴木瑞美子さん、天谷獣医師、装蹄師の多田直基さん、それに家族、サポーター、明日から選手交代する障害チームのメンバー……金、銀合わせて2個のメダルを獲得して意気はいやが上にも上がります。次は障害チーム、頼んだぞ!!


日本選手の個人最終成績(3日間の総合減点)
1位(金メダル) 大岩義明 カンジャー・ブラック号 44.50
14位 村上一孝 イントランジット号 77.70
16位 細野茂之 イペカ号 81.90
24位 加藤大助 オムドゥグゥ号 175.30
 
団体
1位(金メダル) カタール 182.30
2位(銀メダル) 日本 204.10
3位(銅メダル) インド 244.90
4位 インドネシア(246.20)5位アラブ首長国連邦(250.20) 6位マレーシア (307.90)(韓国は辞退)
 
この時点で獲得メダル数を比べると、日本は計4個(金1、銀2、銅1)で1位、2位マレーシア3個 3位は獲得数2個の韓国とカタール、5位1個のインドネシアとなっています。


現地取材・撮影/大久保登喜子


大岩義明選手とカンジャー・ブラック号


村上一孝選手とイントランジット号


細野茂之選手とイペカ号


加藤大助選手とオムドゥグゥ号


表彰台の大岩義明選手(金メダル)、
左が銀のカタール アブドゥラ・アルジェイル選手、
右が銅のマレーシア ハスレフ・マレク・ジェレミア選手


表彰台左が日本チーム(銀メダル)、中央が金のカタール、右が銅のインドネシア


金・銀メダルで笑いが止まらなくなった…
左から大岩・細野選手、ベティーナ・ホイ選手、
バリー・ロイクロフト氏、村上選手、
アンドルー・ホイ選手、加藤大助選手、鈴木瑞美子審判員
(祝勝会で)


同じく祝勝会で左から衛藤監督、米山チームリーダー、
東良弘一障害監督