総合馬術競技とは

 総合馬術競技は馬場馬術競技・クロスカントリー競技・障害馬術競技の3種目を同一人馬のコンビネーションで3日間をかけて行う競技で、その3種目の減点合計の少ない人馬が上位となります。騎乗馬の能力を正確に把握し、クロスカントリー走行時のコース取りを綿密に計算することや、競技期間を通して馬のコンディションを良い状態に保つことが必要です。
 馬場馬術競技では、馬に柔軟性のあるしなやかな動き、また選手の指示に従順であることが求められます。
 クロスカントリー競技は、自然に近い状態の地形に竹柵、生垣、池、水濠、乾壕などのボリュームのある障害物が設置されます。世界のトップレベルの大会では、コースの長さは6km以上にもなり、飛越する障害物は40を超えます。そのハードなコースを分速570m(時速34.2km)のスピードで駆け抜ける様子は迫力満点です。また、ロングルートが設けられている障害もあります。これはダイレクトルートよりも容易に通過しやすくつくられますが、その分走行距離が長くなるため、タイムに影響するものです。選手は騎乗馬の能力に応じて、拒止・逃避のリスク(減点20)を覚悟してダイレクトルートを行くのか、あるいは時間はかかっても安全策をとるかの選択をしなければなりません。
 最後の競技は障害馬術です。ハードなクロスカントリー競技の翌日、獣医師によるホースインスペクション(馬が競技への参加を続けるだけのコンディションにあるかどうかをチェックされる)が行われます。選手やスタッフは、馬のコンディションを維持するためにあらゆるケアをしてインスペクションに臨み、合格した馬がこの競技への参加を許されます。10~13個の障害物が設置された競技アリーナで、最終競技が行われます。

馬場馬術競技

一般的な馬場馬術競技と同様に採点されますが、総合馬術競技の場合は、これを減点に換算します。その計算方法は100から最終得点率(全審判員の得点率を平均したもの)を引くというものです。

馬場馬術競技

クロスカントリー競技

クロスカントリー競技における主なペナルティには次のようなものがあります。

《障害における拒止・逃避・巻き乗り》
拒止・逃避・巻き乗り減点20
同じ障害における2回目の拒止・逃避・巻き乗り減点40
3回目の拒止・逃避・巻き乗り 失権
《規定タイムの超過》
コース全長(スタートラインからゴールラインまでの距離)と要求されているスピードにより、規定タイムが設定されます。そのタイムを1秒超過するごとに、0.4の減点が課されます。
《落馬・人馬転倒》
失権
クロスカントリー

障害馬術競技

障害馬術競技における主なペナルティには次のようなものがあります。

《障害物の落下》
減点4(一つの障害物に関しては、かけられたバーが1本落ちた場合、すべてのバーが落ちた場合、あるいは積み上げられたブロックが全部倒れた場合のいずれも減点4)
《不従順(反抗)》
障害物の前で馬が止まってしまったり(拒止)、横に逃げてしまったり(逃避)、それ以外の場所であっても乗り手の指示に従わないこと。または、コース走行中に巻き乗り(交点ができる円を描く)をした場合も反抗となります。 1回目:減点4 2回目:失権
《規定タイムの超過》
規定タイムを1秒超えるごとに0.4点の減点が課されます。
《落馬・人馬転倒》
失権
障害馬術競技