エンデュランスは"馬のマラソン"とも言われる競技で、トップレベルの競技会では160kmにも及ぶ長距離を走ります。馬を使った実用的な長距離移動手段が競技として行われるようになったのは1950年代で、1982年にFEI(国際馬術連盟)が馬術競技として認定し、その後急速に競技人口や大会開催数が増加しており、日本では2000年から全日本大会を実施しています。
 この競技で必要なのは、人馬ともに元気に走り抜くこと。早くゴールして順位を上げることよりも、良いコンディションで完走することに重きが置かれています。コースはレグまたはフェイズと呼ばれるいくつかの区間に分けられ、各レグのゴールの後には獣医師による検査(ベットチェック)を受けなければなりません。ここでは、馬の心拍数や体温、代謝異常、歩様などをチェックし、競技を続けられる状態にあると判断されれば、決められた時間の休養をとった後に次のレグに進むことができます。もちろんコンディションが悪いと判断された場合には、その時点で失権(競技を続行することができない)となります。

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 実際に競技に参加する人馬以外にも、クルーと呼ばれるサポートスタッフの存在が非常に重要なのもこの競技の特徴です。各レグ終了後の休養時間はもちろんのこと、コース上に設けられたクルーポイントでは先回りをして選手と馬を迎え、水を飲ませたり、身体を冷やすなどのケアに努めます。
 この競技では、通常の表彰に加えて《ベストコンディション賞》の表彰があります。これは、長距離を走り抜いた馬の中から最もコンディションの良い1頭を選んで表彰するもので、選手やクルーにとってはとても名誉のある賞なのです。

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